本田翼と反哲学入門
急に寒くなってきましたね・・・コタツと暖房でなんとか生きながらえてます。
youtubeを見ていたら子どものための哲学という番組を見つけた。声は本田翼とガッツ石松が担当している。もう一度言おう、本田翼が声を担当している。そして冒頭は以下のように始まる
デカい鼻くそは、いつもと比べて大きかったからうれしかったんだ
大事なことは何度でも言おう、本田翼が
デカい鼻くそは、いつもと比べて大きかったからうれしかったんだ
と言っている。
そーいえば今年の夏休みに新潮文庫のフェアがやっていて色々な本が置いてあった中、なんとなく手に取ってしまった本、木田元による反哲学入門が面白かったので紹介したいと思います。
木田元は終戦直後に闇屋で生計を立てていたらしい。(凄いですね・・・!)その後に東北大学文学部哲学科を卒業されたとのことです。
本の内容に移りたいと思いますが第一章から衝撃的な言葉で始まっています。
哲学は欧米人だけの思考法である
えぇ――――っ!!
ミ~ ̄ ̄ ̄\
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(ニフフ
(注:マスオさんです)
一体どういうことなのでしょうか?一部引用しながら説明していきたいと思います。
哲学とは、人生観・道徳思想・宗教思想といった材料を組みこむ特定の考え方だということにしておきましょう。あるいは、哲学とは、「ありとしあらゆるもの(存在する者の全体)がなんであり、どういうあり方をしているのか」と言うことについてのある特定の考え方、切り縮めて言えば「ある」ということがどういうことかについての特定の考え方だと言ってもいいと思います
ふむふむ。こういう考えが日本にはなくて西洋には生まれたということですね。
なぜかというと・・・
そんな考え方をしうるためには、自分たちが存在するものの全体のうちにいながら、その全体を見渡すことのできる特別な位置に立つことが出来ると思わなければならないからです。
自分が自然のなかにすっぽり包まれて生きていると信じ切っていた日本人には、そんな問いは立てられないし、立てる必要もありませんでした
日本人には自然は自ずから生成していくもの、という概念でしたが(そもそも自然と言う言葉自体明治時代に作られた造語ですよね)、西洋人にとっては何かしらが作り上げたもののようですね。その自然を作り上げる特別な存在、自然を超えた存在である超自然的原理をギリシャ時代のプラトンはイデアとして概念を立ち上げました。
ただこうした超自然的原理は昔からずっとあったわけではなく、プラトン・ソクラテスの時代から提唱されたそうです。つまり、古代ギリシャの自然観とは異なっているということです。そして古代ギリシャ早期や古代日本人の自然観は似ているそうです。
古代ギリシア早期の自然観は、万物を「葦牙の如く萌え騰る物に因りて成る」と見ていた『古事記』の古層にみられる古代日本人の自然観と深く通じるものがありそうです。そこに登場する「高御産巣日神(たかみむすひのかみ)・神産巣日神(かみむすひのかみ)」といった神名にあらわれる「ムスヒ」も、「ムス」は苔ムス・草ムスのムス、つまり植物的生成のことであり、「ヒ」は霊力・原理のことであって、生成の原理を神格化したものです。
そしてソクラテス・プラトンあたりからヘーゲルあたりまでの超自然的原理の「哲学」と、ソクラテス以前や「哲学」を解体しようとしたニーチェ以降の「反哲学」は区別して考える必要はあるそうです。
哲学にも2種類あるということね!メモメモ・・・
そして「存在とはなにか」という問いに対しては、「つくられてある」もしくは「なりいでてある」という意味なのかを問おうとしているといいます。その問題をかの有名な丸山眞男も考えていたそうです。
1972年の「歴史意識の『古層』」では世界中の民族にも宇宙創世神話があり、「つくる」「うむ」「なる」という三つの基本動詞で説明できると言います。それぞれ引用したいと思います。
「つくる」という動詞によって規定されているのは、「われわれの住む世界と万物は人格的創造者によって一定の目的でつくられた」というもので、このパターンの代表はユダヤ=キリスト教系統の世界創造神話です
「うむ」という動詞は、「神々の生殖行為でうまれた」というパターンとなります。陰陽二元の結合によって万物が生み出されたと見る中国の盤古説話や、明らかにその影響を受けている『古事記』イザナギ・イザナミ二神による国産み神話、あるいは古代ローマの創生神話などがここに分類されます
「なる」という動詞は、「世界に内在する神秘的な霊力の作用で具現した」というパターンの神話です。
では何故このような超自然的原理が生まれたのか?プラトンの時代ではポリス同士の戦いがあり早急に”国家”を作り上げる必要性があった、のようなことが書かれていますが詳しくは言及されていません。またエジプトやアフリカ北岸のギリシア人の植民都市キュレネに行ったそうですが、キュレネにはユダヤ人も居住していてそこで一神教の概念や世界創造説について学んだのではないか、と言っています。
そしてその後は、哲学とキリスト教の関係や、フッサール・ニーチェ・ハイデガーなどの考えを歴史を辿りながら説明してあります(ここらへんは難しいので説明できない・・・)
他にも哲学の本で面白かったのは飲茶の史上最強の哲学入門が面白かった。例えが秀逸で分かりやすい。カバー絵はバキを描いている板垣恵介である。あー最強になりたい。
名著なのでぜひご一読を